こんにちは、大阪の豊中で美容師をしている河野です。
最近お問い合わせの増えている「ヘナをやめて明るくしながらおしゃれにしていきたい!」という内容のもの。
ヘナって専門店があったり、手軽に自分で染めることができたり、とても便利なカラー剤です。しかも、謳い文句によくある「自然由来の成分で染めるため、ダメージやしみる心配がない」というキーワードもよく耳にします。
もちろんそういった意味ではダメージせずに染めることができる優れもの!ということでまずは、と使ってみられる方もいらっしゃると思います。
回数を繰り返していると、「さぁ、ヘナも飽きたしそろそろ流行りの外国人風にしてやるか!」と、意気込んで明るくしようとする方が出てきます。←イマココ
さぁ!ここからが問題!
果たして、ここから明るくすることができるのでしょうか?
ここからは、実際に見ていただくのが早いと思いますので早速ご覧ください。今回は、ブリーチ毛にヘナ ブラックを使ってカラーをした工程からご覧いただこうと思いまして、やってみましたのでヘナカラー工程からご覧ください!
ビフォーはこちらです。
今から悲惨な目に遭うことなんか知らずに、たたずむウィッグちゃん。
では、ヘナを乗っけたいと思います…
うわぁああああぁぁぁぁあぁぁぁああああぁぁ
はい、ギットギトです。ほんと、実験のたびにありがとうウィッグちゃん…ハイダメージも相まってコーミングすら許されない軋みがハンパないです。
ということで、流します。
流してひとまず軽くブローしてヘナの工程は仕上がりです。
見事真っ黒になりました。
さぁ、落ち着いたところで次はブリーチしていきますが、ここでただ普通にブリーチしてもおもしろくありません。
右半分をさらに半分に割って前と後ろで塗り方を変えます。
ご覧のように、前半分はホイルでワンパネルずつ包みながらブリーチを塗っていきます。後ろ半分は何もせずいつも通りブリーチを塗っていきます。
とにかく、ブリーチが触れた部分の赤みが半端ない…エグイとはこのことかと言わんばかりの赤さ…触れた段階での赤みがヤバいことはよくわかりましたので、ここから時間を置いていきます。
包んだホイルが積み重なってなんかのアートに見えますね(乱視)。という冗談はさておき、一定時間経過したところでそれぞれ塗り分けをしたところの途中経過をチェックしてみます。
こちらはなにもせず普通に塗った方のブロック。
こちらはアルミで包んだ方のブロック。
薬剤がついているときの見極めは薬剤をこそぎ取って透け感や濁り具合、ムラの確認をします。
あとは毛先を触ったときの状態がダメージ的な意味でヤバくないかを確認してから流していきます。
ダメージ毛が更にダメージされてこのウィッグはやばいので即座に流しました。
塗れている状態の段階でこの差です。
すでに毛先で見比べると歴然の差ですよね。
では、もっとわかりやすくするために乾かしてみます。
乾
普通に塗った方は赤黒い感じですね。
アルミで包んだ方は鮮やかな朱赤みたいな色になっています。
今回はブラックのヘナに対してブリーチをしてどこまで色が抜けるかを実験してみました。
結果のように、色を抜こうと思うと簡単には抜けきらないということと、ダメージはどうしてもつきまとうものという実証がなされました。
じゃあ、今回のケースと違ってオレンジやインディゴ、ブラウンだった場合は?ヘナにもたくさん種類がありますもんね。
ヘナ自体は髪の毛のタンパク質に吸着して発色するものなのですが、その吸着力が半端ない!!!そしてもう一個厄介なのがダメージ部分に大変よく吸着する性質があるため、カラーチェンジをいざやりたくなったときに大変てこずるという問題が発生してきます。
そして最近めちゃめちゃお問い合わせいただくインディゴ染めを明るくすることはできるのか?というお話です。
「インディゴ=青の染料とナチュラルヘナを組み合わせて二回染めしている。」パターンが多いと思います。
こちらが非常に厄介です。
長い目でみたお話をすると、すぐにではありませんが明るくすることはできますがやれる色が限定されてきます。
それは色が抜けた後のインディゴの残留色素が原因になってくるからです。
基本的にヘナの染料は切らない限りなくなりません。とくに、インディゴのような強烈な染料の場合はなおさらです。
青の残留色素をカバー出来る色味で、外国人風カラーなどにすることは可能なので、例えば青を活かして濃いめのネイビーや濃いめのミルクティなどが可能なカラーとなります。
淡い色に仕上げていくには切って染めての繰り返しが重要になってきますね!
地道だけど1番の近道です。
乗り越えて綺麗カラー目指しましょう!